人権についてー男女平等(Human Rights)

「人権」とは明治初期に生まれた、Human Rightsという西洋語の訳語である。元々日本にはなかった言葉である。それではなぜ人権という言葉がそれまで日本に存在しなかったのか。その理由は、日本文化の根底は仏教思想であり、そこでは人は衆生という大きな言…

輪廻転生について

輪廻転生とはもともとインド人の人生観である。それは飽く迄も人の頭の中で考えられ構築された概念であり、その範疇を超える事はない。一神教の宗教において神という概念が人の頭の中で考え出されたのと同じである。その場合近代の自然科学が発展すればする…

祈りということ

仏法とは真理の探究である。私たち人間の心理状態を絶対客観的に観察し、それを取り巻く環境と、それとの因果関係を分析して、その本質を悟り、涅槃寂静の境地に達するのが、仏法、仏道の目的である。よってそこに元来「祈り」はない。 ところが釈迦牟尼仏陀…

守護と仏法

七仏通誡偈(しちぶつつうかいげ)という経文がある。これは、仏教で釈迦牟尼以前に存在したとされる6人の仏と、釈迦を含む7人の仏(過去七仏)が共通して説いた教えを一つにまとめたとされている偈であり、『法句経(ダンマパダ)』などに収録されている。 …

迷信・妄信から自己を解放する

約2500年前、仏教の祖釈迦牟尼は阿耨多羅三藐三菩提と呼ばれる無上の悟りの境地に達するにあたって、すべての迷信・妄信から自己を解放することに成功した。当時インドにおいて信仰されていた現在のヒンズー教の元となったバラモン教の提唱するカーストの妄…

仏道の真髄を求めて

日本の仏教には宗派というものがある。私は一人の仏教徒として日蓮宗という宗派に属する。何故日蓮宗に属するかというと、勉学や修行の末自主的に日蓮宗を選んで属したかというと正直そうではない。日蓮宗を信奉する家に生まれたからである。要するに寺の息…

初心のための空仮中の三諦

インドから中央アジアを経て中国に仏教が伝わったのは、一説によると紀元67年と言われている。それ以後多くの仏教経典が中国に流れ込んだ。一度に多くの仏典が流入したため、その成立年代や内容的な発展過程が明らかではなかった。6世紀に中国にあらわれた天…

執着ということ

自らを執着から解放することは仏道の最大の目的の一つである。執着から解放されると真の心の自由自在を得ることができる。 私たちは普段いろいろな物事や出来事に執着する。着るものに執着する。食べ物に執着する。住む所に執着する。乗る車に執着したり、持…

こだわらないこと

大乗仏教の根本儀は「空(くう)」の思想です。有名な般若心経などで唱えられている「色即是空、空即是色」の「空」です。勿論、法華経の中にも多く出てきます。「空」の思想はとても深遠なものですが、だからといって理解しなくてもよいというものではあり…